ウェクスラー博士の作った知能テストを、何千人という人たちに実施しました。
そうすると結果は、平均点を中心に正規分布しました。
平均付近に大部分の人が集まって、極端に点数の高い人と点数の低い人は非常に少ないということです。
そして、その平均点を基準として分かりやすいように、「100」と設定しました。
そして、その100を基準にした標準偏差が知能指数(IQ)ということになります。
したがって、IQ 90~109の平均に近い人たちが、全体の約50%に及びます。
だから、ここに入っていれば十分なのです。
例えば、「IQ200の天才」といったことを聞きますが、そんな人実際にいるのかどうかはかなり疑わしいものです。
知能指数は得点ではなくて、標準偏差です。
つまり、知能指数200の人は、知能指数100の人の2倍頭が良いということではないのです。
普通の人の5倍から10倍以上頭がよくないと、知能指数200にはならないわけです。
WAISで満点をとっても、知能指数200にはなりませんので、これをどうやって測定するのかも不明です。
とりあえず、100以上あれば十分ですので、テレビ番組で、知能指数が120とか130なかったとしても、何も心配する必要はありません。
SPIや知能テストにも最適!
知能指数が高いとは何を意味するのか?
知能テストは、単純な計算とか、単純な記憶問題とか、図形のパズルとか、そういうもので構成されています。つまり、単純な作業能力や、簡単な記憶や注意力をみているに過ぎません。
知能指数が高い人というのは、「単純な知的作業の能力が高い人」ということが言えます。しかし、そういう人を「頭が良い」と言っていいのかどうかは、はなはだ疑問です。
逆に、知能指数が低い人というのは、「単純な知的作業の能力が低い人」ということになります。つまり、簡単な作業でつまずいてしまう人であり、仕事の能力などにも影響を及ぼすでしょう。
昔、ソロバンや暗算。帳簿も手作業でつけいいましたから、単純計算能力の高い人、単純な作業の得意な人は、「有能な人」であったわけですが、現代社会では全てそれらはコンピューターがやってくれます。
我々に必要なのは、斬新な発想であるとか、アイデア、ひらめきです。
しかし、知能指数ではそうした「発想力」「想像力」を全く評価しません。
要領の良さだけがひたすら問われるわけです。
知能指数が高いのは悪いことではありませんが、「知能指数が高い人」=「頭の良い人」「優秀な人」と判断するには、相当の飛躍があります。
したがって、知能指数が多少低いからといって気落ちすることは全くありません。
テレビの番組を見ていると、東大生の中にも知能指数の低い人はいます。